☆Rolling Stones:『Live In Leeds 1982』(Ward/GQXS90094~6)Blu-ray+2CD
Saigenji :『ACALANTO~10th. Anniversary Edition~』(Happiness Records/HRBR-001)
日本におけるブラジリアン・ミュージックの先駆者的シンガー・ソンングライターとして知られ、デビュー前から筆者とも親交がある、Saigenji(サイゲンジ)が2005年に東芝EMIからリリースした『ACALANTO』の10周年を記念したリマスター・リイシュー盤を11月18日にリリースする。
カエターノ・ヴェローソやレニーニなど蒼々たるブラジリアン・ミュージシャンを手掛けるなど新世代派の旗頭であるKassin(以下カシン)ことアレシャンドリ・カシンのプロデュースのもと、リオデジャネイロでレコーディングされた本作は、彼の長いキャリアの中でもエポックメイキングなアルバムとして一際輝いている。
またこのリマスター・リイシュー盤にはボーナストラックとして、後にカシンがリミックスした「Breakthrough the Blue」とアルバム収録5曲のライヴ・ヴァージョン(バックはSaigenjiバンドのベストメンバーが参加した白熱の演奏!)を追加したデラックス・エディションとしてファンは勿論のこと、多くの音楽ファンにもお勧め出来る内容となっている。
今回『ACALANTO』リリース時に筆者が、フリーペーパー誌"ART YARD Informer"で取材し掲載したインタビューをここに再掲載したいと思う。
(再掲載をご承諾してくれたART YARD Informer誌の滝本編集長に心より感謝します。)
日本の洋楽フォークの創始者ガロのパーフェクト音源リストを掲載。ガロと日本のロックの創始者のスパイダースは見事に活動がシンクロしていた
☆ Who:『Live In Hyde Park』(Eagle Rock/EVB335249)(Blu-ray+2CD)

☆Four Seasons:『The 4 Seasons Greetings』(Real Gone Music/RGM0399)

☆Carl Wilson:『Long Promised Road』(Shady Grove/SGRCD2003)
手術は結局、病院の倫理委員会で、危険すぎで中止になってしまった。そのため放射線治療が始まり4回終わったが、下半身麻痺になってしまい、全てはベッド上のみ。脊髄損傷状態である。どう効果が出るか分からないが、考えるとロクな事しか浮かばないので、出来るだけ何も考えないよう、テレビとパソコンだけの日々を送っている。音楽は少しも楽しめないが、紹介しないといけないものは紹介する。さて、このCDは紙ジャケで、作曲のクレジットもないシンプルな作りで、amazon等で購入できる。ハーフ・オフィシャルのような気もするが、詳細不明。内容はカール・ウィルソンがその活動を始めた1981年、ファースト・アルバム『Carl Wilson』の曲に、数曲プラスした全12曲のライブである。4月13日にニューヨークのボトム・ラインの公演をWNEWというFM局が収録したもの。『Carl Wilson』からは8曲中7曲を収録、名曲「Heaven」も収められた。嬉しいのは『Surf's Up』収録曲でシングルにもなったカール一世一代の名曲「Long Promised Road」のライブが聴けること。
☆Beach Boys:『Beach Boys' Party Uncovered And Unplugged』(Capitol/B0023853-02)

☆柳原良平の仕事(玄光社MOOK)
柳原良平が2015年8月に亡くなり、そのワークスを大型本カラー160P でまとめた究極の追悼本が出版された。さてまず柳原良平とは誰?と多くの人が思うだろうが、あのトリスのウイスキーのアニメーションの人だと言えば、誰もが知っていると答えるはず。ただ私もその域を脱してなく、それ以外のワークスはほとんど知らなかった。こうしてまとめてワークスを見ると、あのデフォルメされた、バタくさい絵柄が、今見れば見るほど逆にカッコよく見える。センスがいいので、見たことのない絵を眺めているだけで楽しい。掲載されているのはトリスの広告から始まって(ここはキャッチコピーも最高!)、グッズ、CM(アニメーション)、洋酒天国などサントリーの雑誌の表紙の数々、そして数多くの作家の単行本の表紙、絵本、マンガ、そして後半は本人が大好きだった船のイラストやグッズだ。バタくさい絵柄は、大型船のイラストに実にすっきりと馴染む。本の企画は濱田高志さん、企画協力・執筆は鈴木啓之さん、その他、私も末席で執筆させていただいている「月刊てりとりい」の執筆陣が多く参加した、つまり一騎当千のコアな人脈で制作したのだからそれはこのようにもの凄いものになる。是非ご一読をお勧めする。なお柳原良平は久里洋二、真鍋博との3人で、商業アニメとは一線を画したアヴァンギャルドなアニメーションを「アニメーション3人の会」として定期上映していたので、コアなアニメーションファンにも有名である。(佐野邦彦)
☆Sugar Babe「パレード(Live)」「Down Town(Live)」:山下達郎オフィシャル・ファン・クラブ会誌2015年Winter付録CD

☆Beach Boys:『Live In Chicago 1965』(Download Only)☆Beach Boys:「We Got Love(Studio Version)」:from『Holland』(Download Only)

☆Beach Boys:『Fillmore East, New York, June 27th, 1971』(Download Only)

☆Beach Boys:『The Mall, Washington, July 4th, 1981』(Download Only)

☆Pen Friend Club: 『Season Of The Pen Friend Club』(Penpal/PPRD0001)

☆Beach Boys:『Washington Monument, Washington, July 4th, 1984』(Download Only)
amazonのDoxyからmp3販売の第3弾。建国記念日のライブとしては前述の1981年の次になるわけだが、この1984年と翌年のゲストが超豪華。丸ごとYou Tubeで映像も見られるので是非そちらも合わせて見ていただきたい。イベントなのでビーチ・ボーイズはメイン・アクトであるがその他バッキングの参加ミュージシャンも多く、演奏もコーラスも十分に厚みがあり、今までのものよりランク上。1曲目の「California Girls」から歌と演奏は十分だ。ステージには、ランディの治療で見間違えるほど細くなったブライアンがキーボードを弾いていて、他はカール、アル、ブルース、マイクの5人。デニスは残念ながら前年に事故で他界している。「Surfer Girl」のサビの超甘いヴォーカルはフリオ・イグレスアスだ。そして「Back In The USSR」では遂に本家本元のリンゴ・スターが歌とドラムを担当し、観客の興奮は頂点に達していた。収録された曲は10曲で、カールが気合の入ったジョン・フォガティのロック・ナンバー「Rockin' All Over The World」を歌い、アルがHollywood Flamesの50年代のヒット「Buzz Buzz Buzz」をカバーしているが、レコード化はされていない。「Back In The USSR」以降の「Good Vibrations」「Help Me Rhonda」「Fun Fun Fun」までの3曲も引き続きリンゴがドラムを叩いていることにも注目だ。ライブとしては完璧な出来なので音質が惜しい。この中から「Back In The USSR」と「Surfer Girl」は前述の1986年のライブ・アルバム『Fourth Of July』(Love Foundation)に収録されており、レコードの音質は比較にならないほどいいので、ちゃんとしたマスターから出してもらいたいものだ。(佐野邦彦)
☆Beach Boys:『Ben Franklin Parkway Art Museum, Philadelphia, July 4th, 1985』(Download Only)
Doxyからのamazonのみmp3販売のラストがこのアルバム。この1985年の建国記念日ライブのゲストの目玉はなんといってもジミー・ペイジだ。こちらは収録曲が19曲と多く、その一部であるが肝心なジミーのギター・プレイはYou Tubeで見られる。全面的にギター・ソロを弾いているのは「Lucille」。この曲はもうジミー・ペイジの迫力満点のギター・プレイを楽しむためのものでビーチ・ボーイズはほぼ関係ないが。そして「Barbara Ann」でも促されて間奏のギターの一部を弾いている。そのままジミー・ペイジに弾かせればいいのに、すぐにクソつまらない2音サックスに変わってしまうのはマイクの仕業か?他のゲストは「Come Go With
Me」のバック・コーラスをオーク・リッジ・ボーイズ、「Good Vibrations」のリード・ヴォーカルはクリストファー・クロス、「Barbara Ann」にはジョーン・ジェットもギターで参加している。このライブのいい所はギターをラウドに、ザックリとプレイしているので、最も迫力ある仕上がりになっている。あの「Surfin' Safari」からしてヘヴィなギターでスタート、そのままメドレーでなんとブライアン作のジャン&ディーンのNo.1ヒット「Surf City」へ移りこれも迫力のあるカバーで、そのまま「Surfin' USA」へなだれ込む。ラストの「Fun Fun
Fun」は演奏の迫力と的確なハーモニーでこの曲のベストのライブではないか。選曲ではこの時の最新ヒットの「Getcha Back」を披露、ほぼ完璧な仕上がりだったこと、カールはお気に入りの「Rockin' All Over The World」をまた歌っていたことが他の注目点か。この中から「Barbara Ann」と「Come Go With Me」は前述の1986年のライブ・アルバム『Fourth Of July』(Love Foundation)に収録されており、音質は比較にならないほどいいので、この盤もちゃんとしたマスターから出せるはずだ。惜しい。(佐野邦彦)
病院から自宅へ戻っても下半身麻痺なのでベッド上のまま。手の届く範囲に、Blu-rayレコーダー、テレビ、CD録音機能付レコードプレイヤー、ラックなど必要なものを揃え準備をした

☆最近のBeach Boysメンバーのソロ活動の追跡調査(Brian、Al、Mike)
明日退院だが、正月の短期入院時に表記の調査をしてみた。ブライアンがリード・ヴォーカルを取っているオムニバスへの参加作品は価値があるが、「フィーチャリング参加」のものはまずつまらないので、注意しよう。ブライアン・ウィルソンは、2015年Mini Mansionsの『The Great Pretenders』というアルバムの中の「Any
Emotions」という曲で、feat.Brian Wilsonでゲスト参加している。ミディアムのレイドバックした曲で最後のコーラス部にブライアンがいるなと分かる程度。またEmile Haynieの『Falling Apart』の冒頭のタイトル曲で、feat. Andrew Wyatt, Brian Wilsonとして少々ドラマティックな作り「Falling Apart」を披露しているが、最後のコーラス部でブライアンがいるかなと分かる程度。他、HP上で紹介していない古いものでは2009年ハイチ大地震のチャリティの為に作られた「We Are The World」の替え歌「We Are the
World 25 for Haiti-Artists for Haiti」がある。ブライアンにソロ・パートはなく、コーラスの参加のみでどこにいるのかよく分からない。2011年にはOld Sand Millのアルバム『The World Is Getting Colder』(SHP Recoeds)の中でfeat. Brian Wilson and Rick Boston名義で「Be True To Your School」と「Too Much Sun」を披露してる。前者はライブ仕立てでヴォーカルはマイク・ラブ風でアレンジも同じ。しかしブライアンの存在は分からない。B面は重いアカペラから始まるカントリー・ナンバーだが、ここでもブライアンの存在は分からない。まあ全てよほどのマニアでなければ全て不用のシロモノ。ついでにAdrian Bakerが2010年にリリース、マイク・ラブにリード・ヴォーカルを録ってもらったアップの「Summertime Blues」の7インチ、12インチヴァージョンは、前述の「We Are the World 25 for
Haiti-Artists for Haiti」とOil Sand Millの3曲などと合わせて、先月紹介したDoxyからamazonのみでダウンロード販売されているビーチ・ボーイズのライブ盤4枚の曲中に勝手に一緒に入っていた。まあタダだからいいけど...。
☆Beach Boys:「We Got Love(Studio Long Version)」入りの『Holland』が、2月16日にSACDと200gLPの両仕様で、Analogue Productionから発売予定
先日、iTunesでの『Holland』のリイシューで、初復刻された幻のスタジオ・ヴァージョンの「We Got Love」が配信された。さらに驚かされたのは、当時のミスプレスのみで聴けた同曲よりエンディングが50秒以上長いロング・ヴァージョンでもあったのだ。そして嬉しいことにアメリカのAnalogue
ProductionよりハイブリッドSACDと、200gアナログLPにもこの「We Got Love(Studio Long Version)」が入る。LPの方はあのEPがLPサイズとなり、同曲が入る。2枚組のような感じか。値段は$30と$40で日本への送料はかからない。この手のアイテムはamazonはまったく信用できず、タワーやHMVも発売日などおおいに怪しい。この際、直接注文した方が確実と、ネット注文したが、さてどうなるか。他のタイトルもみなSACD及びステレオLP、モノLPとリリースされるので、下記の「ビーチ・ボーイズ・ガイド」の表を参考にどうぞ。
http://agttbb.web.fc2.com/newitem.html
(佐野邦彦)
☆The Beach Boys:『The Beach Boys' Christmas Album(Mono & Stereo)』(Download Only)
ふと気づいたら、一度もCD化されていない『The Beach Boys' Christmas Album』のモノラル盤がダウンロード販売していたので、退院までの間に購入し、帰宅後チェックをしたところ。確かにこれは「真正モノラル」であり、後のCD化で編集された「偽モノ」は混じっていない。音像の好みなどは除外する。もともと私はモノ派ではなくステレオ派、モノの方がいいかなと思う曲があるのは一般的には1963年と1964年くらいまでの音源だ。購入はiTunesのMono&Stereo1900円版。現在では疑似ステレオしかない『Surfin' Safari』『Wild Honey』のステレオ、まったく違いが無い『Beach Boys Concert』のモノラル(予想通りこれだけモノラルリリースなし)を除くとモノラルが無くなった『Friends』までは、全てステレオ、モノラルの両仕様が出て、以降のアルバムは『The Beach
Boys(1985)』までステレオの「ハイレゾ版」が出ているのだ!さらにAnalogue Productionsからのステレオ、モノラル別々にハイブリッドSACDと200gアナログLPの発売、ここも前述したように『Holland』を皮切りにブラザー時代以降も網羅するだろうから、いったい全部揃えたら幾らかかるのか!私のように3年半に渡る病人、もう定年まで2年なのにこれからゼロからリハビリして1年後に奇跡が起きて再復職という非現実的は諦め、もう勧奨退職して社会保険は妻の扶養に入り、退職金で住宅ローンを完済して残りの治療費に...という人間に、そんな高額商品を揃える余裕はなくなった。一騎当千のビーチ・ボーイズ・ファンの方、これらの全音源の違いがあれば是非教えて欲しい。楽しみにお待ちしています。
それではようやく、『The Beach Boys' Christmas
Album(Mono & Stereo)』の違いについて紹介しよう。
①
「Little Saint
Nick(Album Version)」...鈴と鉄琴が入っていないステレオのアルバム・ヴァージョンは『Ultimate
Christmas』や、90年代にリリースされたボーナス・トラック付『The
Beach Boys' Christmas Album』で聴けたが 初CD化のモノ・ヴァージョンは最後のリフレインがステレオの3回(1分59秒)に比べて2回(1分52秒)でフェイドアウトしてしまう。
②
「The Man With All The
Toys」...ステレオのエンディングは2回目のリフレインの最後の高い「オ!」のあとのギターで終わってしまうが、初CD化のモノラルはさらに2秒長く、3回目のリフレインの「オ!」を2回聴くことができる。90年代の『The Beach Boys' Christmas Album』や、『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』はモノで入っているが、ステレオと同じく短く「悪い偽モノ」編集されていた。
☆Crosby Stills Nash & Young:『Roosevelt Raceway-Live 1974』(Air Cuts/ACCD8027)
2014年に、ライブツアーだけでスタジオ・レコーディングは行われなかった1974年のCSN&Y再結成のライブ音源集『CSNY 1974』がリリースされ、多くのファンを狂喜させてくれたのは記憶に新しい。そのライブはCD3枚組40曲というボリュームだったが、本盤は16曲というコンパクトなもの。それは1974年9月8日のニューヨークのロング・アイランドでのライブで、FMで高品質なライブを流すことで有名なKing Biscuit Flower Hourの音源をそのままCDにしたものだ。曲は16曲中、グラハム・ナッシュ6曲、ニール・ヤング4曲、デビッド・クロスビー3曲、ステファン・スティルス2曲、スティルス&クロスビーの1曲だ。例によってサウンドがヘヴィなスティルス&クロスビーは、例えば『Love The
One You're With』などパーカッションがさらに強化され、もう原曲のイメージは無い。その点、私はアコースティック・セットでハーモニーを重視するCSN&Yが好みなので、ニール・ヤングとグラハム・ナッシュの曲が多いのは嬉しい。『CSNY
1974』では収録されていない初登場曲はニール・ヤングの「Walk On」とグラハム・ナッシュの「Southbound Train」「Another Sleep Song」だ。この中でもNash
&Crosbyのアルバムを買って、最も好きだった「Southbound Train」が最高の贈り物だ。後半のコーラス・ワークがいい。ただこのCD、作曲のクレジットを入れないのはどうなのか?ハーフ・オフィシャルなのかな。(佐野邦彦)