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☆Rolling Stones:『Live In Leeds 1982』(Ward/GQXS90094~6)Blu-ray+2CD

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さてストーンズの映像+CDの『From The Vault』シリーズだが、1990年の初来日公演に続いて、1982725日のイギリスのヨークシャーにあるリーズ大学のコンサートもBlu-ray1+CD2枚の仕様でリリースされた。このコンサートは、6人目のストーンズというべきイアン・スチュワートがライブで見られた最後のツアーであり、素晴らしいブギ・ウギのピアノでその存在感を見せつけてくれた。この時期のコンサートは1981年の北米ツアーはレギュラー盤の『Still Life』で1982年にリリースされ10曲を披露、映像は『Let's Spend The Night Together』のタイトルで1981年のアリゾナ州テンピのサン・デヴィル・スタジアムとニュー・ジャージー州のメドウランズ・アリーナの映像を1983年になって25曲リリースしていた。そしてこの『From The Vault』シリーズでは19811218日のヴァージニアでのライブが『Hampton Coliseum』としてBlu-rayCD25曲、昨年リリースされたばかり。そしていよいよストーンズのツアーの定番、北米の後のヨーロッパツアーである1982年のイギリスでの映像が本盤で見られるようになったのである。まだミックとキースは39歳、パワフルな歌と演奏(今でもパワフルだが)を全開で楽しませてくれる。なんいっても注目したのは、ストーンズの生みの親と言ってもいいイアン・スチュワートのキーボード・プレイだ。イアンは、キーボード・プレイヤーで、彼のセンスで結成前にそれぞれのメンバーの顔合わせを実現させた立役者だったにも関わらず、ストーンズのマネージメントを担当したアンドリュー・オールダムからルックスが良くないという理由でローディーに格下げされて働いていた苦労人だ。しかし1969年からツアーメンバーになり、70年代はニッキ―・ホプキンス、ビリー・プレストン、イアン・マクレガンという実力者と2人でライブを支えていた。そしてこの81年からのツアーでは、イアンが主役で、若いチャック・リーヴェルが2人目のキーボード・プレイヤーになった。

Saigenji :『ACALANTO~10th. Anniversary Edition~』(Happiness Records/HRBR-001)

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日本におけるブラジリアン・ミュージックの先駆者的シンガー・ソンングライターとして知られ、デビュー前から筆者とも親交がある、Saigenji(サイゲンジ)が2005年に東芝EMIからリリースした『ACALANTO』の10周年を記念したリマスター・リイシュー盤を11月18日にリリースする。
カエターノ・ヴェローソやレニーニなど蒼々たるブラジリアン・ミュージシャンを手掛けるなど新世代派の旗頭であるKassin(以下カシン)ことアレシャンドリ・カシンのプロデュースのもと、リオデジャネイロでレコーディングされた本作は、彼の長いキャリアの中でもエポックメイキングなアルバムとして一際輝いている。
またこのリマスター・リイシュー盤にはボーナストラックとして、後にカシンがリミックスした「Breakthrough the Blue」とアルバム収録5曲のライヴ・ヴァージョン(バックはSaigenjiバンドのベストメンバーが参加した白熱の演奏!)を追加したデラックス・エディションとしてファンは勿論のこと、多くの音楽ファンにもお勧め出来る内容となっている。
今回『ACALANTO』リリース時に筆者が、フリーペーパー誌"ART YARD Informer"で取材し掲載したインタビューをここに再掲載したいと思う。
(再掲載をご承諾してくれたART YARD Informer誌の滝本編集長に心より感謝します。)

日本の洋楽フォークの創始者ガロのパーフェクト音源リストを掲載。ガロと日本のロックの創始者のスパイダースは見事に活動がシンクロしていた

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さて、これがGAROの詳細なディスコグラフィーである。このリストから見えるヒストリーだが、ある部分が奇妙にスパイダースとダブって見える。それは、デビューはオリジナル勝負、しかしプロ作曲家の書いた曲が思いもがけず大ヒット、その曲でスターダムにのし上がり、そのためプロ作曲家の曲もあてがわれて歌うが、オリジナル志向の強いメンバー達は再びオール・オリジナルのアルバムを作って実力を見せ、最後に音楽的に一花咲かせて解散する...という流れだ。ガロの7枚のアルバムだが1971年のデビュー・アルバム『GARO』は全曲オリジナル。まさに日本のCSN&Yで、他に類がないサウンドとハーモニーで鮮烈なデビューを飾ったがヒットには至らなかった。そのためセカンドはレコード会社からの要請で全曲和洋折衷のカバーになってしまう。しかしここでも当初ヒットは無かったのでサード『GARO3』はまた全曲オリジナルに戻す。このアルバムの内容もいいのにヒットが生まれない。しかしセカンドからカットしたシングルB面曲の「学生街の喫茶店」が後に突然の大ブレイク、シングルはAB面入れ替えて出し直し、7週連続オリコン1位という大ヒットを記録する。そのためこのブレイクのあとのシングルは同じすぎやまこういちの歌謡曲そのものの「君の誕生日」でこれも1位、そのあとはマーク作の「ロマンス」だったがこれも6位になり、1973年にはレコード大賞大衆賞、そして紅白歌合戦の出場まで果たしてしまう。このブレイクのためライブアルバムにスタジオ録音の「君の誕生日」を無理矢理入れたほど。4枚目は、オリジナルは4割だが歌謡曲路線のアルバムで、私を含めデビュー・アルバムのガロが好きだったファンはこのアルバムあたりでファンを辞めている。しかし5枚目のアルバム『CIRCUS』は創作意欲を高めて全曲オリジナルで勝負という意欲作だったがそこそこのヒットで終わる。
シングル:たんぽぽ

☆ Who:『Live In Hyde Park』(Eagle Rock/EVB335249)(Blu-ray+2CD)

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 はじめに近況。2年間待った最新治療は金沢大病院へ入院した当日に、検査結果が悪いという事で中止、その2年前の群馬大では2か月前に悪化して中止と、泣いても泣ききれない運の悪さだ。全て自費診療で事前に検査入院、治療薬購入までしたのに...。急遽、それまでの東京女子医大で29回目の化学療法を終えたが、悪化した下半身はほぼ動かずで、今はトイレも含め全てベッド上。下の世話まで大部屋で嫌だが仕方ない。2年前の群馬大では4か月そうだった。どう治療するか決まるのは連休明けで、嫌な気分だ。書ける元気があるうちに即座に書くので、少々詰めが甘いのはご勘弁。さてこのライブは、2015年夏にロンドンのハイド・パークで、フー結成50周年を記念した「The Who Hits 50! Tour」と題されたツアーのファイナルとして、65千人もの大観衆を前に行われたものだ。メンバーはピート、ロジャーに、ザック・スターキー、ピノ・パラディーノなどのベスト・メンバーが揃った。まずデビューを1964年のハイ・ナンバースのシングルにしたのでなく、フーとしてリリースした19651月の「I Can't Explain」を起点とした所に、この名曲への自信と思い入れがうかがえる。もちろんトップはこの曲から。50周年記念ということで、まあアルバムの範疇に入れるか迷うが『My Generation』から「My Generation」と「The Kids Are Alright」。サードの『Sell Out』から「I Can See For Miles1曲、代表作『Tommy』と『Who's Next』からはしっかり4曲ずつ披露された。そして『Quadrophenia』から2曲。キース・ムーン最後のアルバム『Who Are You』から1曲、ケニー・ジョーンズ時代から2曲、そして60年代のシングル曲2曲(何故か「The Seeker」だけ付属のCD編だけで画像からは落ちたが)、70年代のシングル1曲ずつとよく考えらえた選曲だ。「Substitute」がない、「Summertime Blues」がないと聞こえてきそうだが、個人的にはベスト5の曲だがいつも入らない「Go To The Mirror」や大好きな「Little Billy」。「The Real Me」もよく外れるな。またこれも大好きな『Sell Out』の曲もなかなかセレクトされない。あれがない、これがないといっても何しろ名曲が多すぎるのだから仕方がない。さて映像を見ると、オールド・モッズのビンテージのベスパがずらりと並びカッコいい。

☆Four Seasons:『The 4 Seasons Greetings』(Real Gone Music/RGM0399)

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天国と地獄。最有望治療を2年半待って金沢へ行ったらその場で中止、翌日に東京女子医大に入院後、一気に悪化、病状は大変で、全科の会議にかけないと非常に困難な手術ということで、1週間かけた今週末にも結論がでないかもとも。手術中にサヨナラかもしらないから。無理なら放射線になるためそちらのマーキングは完了。でもこれだと腫瘍の圧迫がそのままで今の下半身麻痺が治らない可能性あり。今年は病院にずっといるのだろうな。クリスマスも。ということでやっと写真のお題。何と今年Real Gone Musicからリリースされたこのフォー・シーズンズのクリスマスの名盤は、なんと初のモノラルCDである。3大クリスマス・アルバムとして名高いのがPhil Spector PresentsA Christmas Gift For You』と『The Beach Boys' Christmas Album』、そして『The Ventures' Christmas Album』この3枚だが、ベンチャーズは日本での人気なので、世界的にはこのフォー・シーズンズの1962年のクリスマス・アルバム『The 4 Seasons Greetings』になる。このアルバムは古くからAceで『Born To Wander』との2イン1でCD化されていて、ステレオ盤は入手可能だ。ただモノラルのCD化は初。Real Gone Musicからのリリースで、ちゃんとf紙ジャケで作られていた。あのフォー・シーズンズの廉価盤ボックスには入っていないので、季節的なものと合わせて単発リリースしたのだろう。

☆Carl Wilson:『Long Promised Road』(Shady Grove/SGRCD2003)

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手術は結局、病院の倫理委員会で、危険すぎで中止になってしまった。そのため放射線治療が始まり4回終わったが、下半身麻痺になってしまい、全てはベッド上のみ。脊髄損傷状態である。どう効果が出るか分からないが、考えるとロクな事しか浮かばないので、出来るだけ何も考えないよう、テレビとパソコンだけの日々を送っている。音楽は少しも楽しめないが、紹介しないといけないものは紹介する。さて、このCDは紙ジャケで、作曲のクレジットもないシンプルな作りで、amazon等で購入できる。ハーフ・オフィシャルのような気もするが、詳細不明。内容はカール・ウィルソンがその活動を始めた1981年、ファースト・アルバム『Carl Wilson』の曲に、数曲プラスした全12曲のライブである。413日にニューヨークのボトム・ラインの公演をWNEWというFM局が収録したもの。『Carl Wilson』からは8曲中7曲を収録、名曲「Heaven」も収められた。嬉しいのは『Surf's Up』収録曲でシングルにもなったカール一世一代の名曲「Long Promised Road」のライブが聴けること。

☆Beach Boys:『Beach Boys' Party Uncovered And Unplugged』(Capitol/B0023853-02)

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本作は、1965年リリースの『The Beach Boys' Party』にプラス、50テイクに及ぶ膨大なこのアルバム用の未発表パーティー・セッションを収録したものだ。例によってamazonは相当前に予約したのに発売予定日を過ぎて入荷予定は1月というトンデモない対応、私は既に在庫があったディスクユニオンで購入したが、タワーでも買えたようだ。最近amazonは予約しても最初から在庫ショートと信用できないので、タワーの方が信頼できるかも。さてまず既発表の曲だが、このオリジナル・アルバムと『Good Vibrations Box』に「Ruby Baby」が入ったので、これらの曲は、完成ヴァージョン以外に2~5テイク程度収録されている。ただし「Papa-Oom-Mow-Mow」は1テイクのみだった。これらのテイクは、途中で笑いだして終わっていたり、それぞれ収録されたテイクまでの流れを聴いてみてほしい。ちなみに「Little Deuce Coupe」はある程度普通に歌ったヴァージョンとアルバムのリズムを変えた単独ヴァージョンがあり、「I Get Around」はおふざけで短く終わったものだけが単独であった。アルバムのものはリハーサルを積んだものというよりノリで歌ったメドレーがそのまま収録ヴァージョンになったことが分かる。「Barbara Ann」は最初短くブライアンがリードを取るがファルセットではなく、2テイク目からディーン・トーレンスがファルセットのリード・ヴォーカルを歌い完成していく。だから最後にThank you Deanという言葉が入っている訳だ。さてこれから未発表曲集。イントロこそコードだが、「California Girls」はハーモニーもスムーズで、いい出来だが、きれいに歌っても目立たないと判断されたのか、ボツになった。「Don't Worry Baby」は流れの中でイントロが演奏で出てきただけ。ビートルズ・カバーでは「Ticket To Ride」があったが、歌詞を覚えていないようでコーラスのみユニゾンで歌う適当なもの。逆に完全に使う寸前だったかなと思わせたのがローリング・ストーンズの「Satisfaction」で、あのリフを弦で弾くものとコードで弾くものが収録されたが、乗りも楽しさも十分で、アルバムに入っていても違和感はなかったが落とされていた。さらにボブ・ディランではアルが歌う「Blowin' In The Wind」があるが、これにはおふざけはまったくなく、単独で12弦ギターの弾き語りできれいに歌っていて、収録を検討したが、外されたのだろう。

☆柳原良平の仕事(玄光社MOOK)

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柳原良平が20158月に亡くなり、そのワークスを大型本カラー160P でまとめた究極の追悼本が出版された。さてまず柳原良平とは誰?と多くの人が思うだろうが、あのトリスのウイスキーのアニメーションの人だと言えば、誰もが知っていると答えるはず。ただ私もその域を脱してなく、それ以外のワークスはほとんど知らなかった。こうしてまとめてワークスを見ると、あのデフォルメされた、バタくさい絵柄が、今見れば見るほど逆にカッコよく見える。センスがいいので、見たことのない絵を眺めているだけで楽しい。掲載されているのはトリスの広告から始まって(ここはキャッチコピーも最高!)、グッズ、CM(アニメーション)、洋酒天国などサントリーの雑誌の表紙の数々、そして数多くの作家の単行本の表紙、絵本、マンガ、そして後半は本人が大好きだった船のイラストやグッズだ。バタくさい絵柄は、大型船のイラストに実にすっきりと馴染む。本の企画は濱田高志さん、企画協力・執筆は鈴木啓之さん、その他、私も末席で執筆させていただいている「月刊てりとりい」の執筆陣が多く参加した、つまり一騎当千のコアな人脈で制作したのだからそれはこのようにもの凄いものになる。是非ご一読をお勧めする。なお柳原良平は久里洋二、真鍋博との3人で、商業アニメとは一線を画したアヴァンギャルドなアニメーションを「アニメーション3人の会」として定期上映していたので、コアなアニメーションファンにも有名である。(佐野邦彦)

    「柳原良平の仕事」の画像検索結果

☆Sugar Babe「パレード(Live)」「Down Town(Live)」:山下達郎オフィシャル・ファン・クラブ会誌2015年Winter付録CD

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さて、山下達郎オフィシャル・ファン・クラブは毎年12月配布の会誌に、必ず山下達郎のクリスマスメッセージ+レア音源の入った非売品のCDを付けてくれる。1992年からスタートしたので今年で24枚目となる。その中では今でもこのディスクでしか聴けない曲があるので、後述しておくが、今までWeb VANDAで紹介はしてこなかった。しかし今回は違う。なんと、Sugar Babe時代の初登場ライブが2曲も入ったからだ。先日の『Songs40th Anniversary Ultimate Edition)』で、この当時のライブが収録され、みな狂喜したものだが、このCDとは別のライブが収録されたのである。まず「Down Town」の初登場ライブ。『Songs40th Anniversary Ultimate Edition)』のディスク11976128日仙台電力ホールでの「Down Town」が収録され、ディスク2には1975717日文化放送の番組エアチェックが入っていた。このクリスマスCDのライブのアレンジはエンディングのギターパターンからディスク1の1976年のライブに近く、この頃のライブだろう。
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☆Beach Boys:『Live In Chicago 1965』(Download Only)☆Beach Boys:「We Got Love(Studio Version)」:from『Holland』(Download Only)

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今年も最後の12月になってダウンロードのみでビーチ・ボーイズの貴重なライブ音源がリリースされた。2014年末のライブのダウンロードは1964年のサクラメントでのライブだったが、今年は1965年のシカゴでのライブである。場所はArie Crown Theater、収録は326日が16曲、327日が18曲に加えてリハーサル4曲が入った充実した内容だ。オーバーダビングなどなく、マイクのセッティングもいいかげんで、リード・ヴォーカルがしばしば聴こえないなど、ある意味「リアル」なこの当時のライブ音源だ。326日は全般的にマイクのセッティングが悪く、曲も少ない。その反面327日の内容はいいのでその順に紹介しよう。「Do You Wanna Dance」はデニスのリードなので注目だが、26日はリード・ヴォーカル自体が欠落しており、27日が全て。続く「Hawaii」は27日の方のリード・ヴォーカルの音が割れているので、これは26日の方がいい。『The Beach Boys Concert』ほどの完成度はないが、コーラスも快調で悪くない。嬉しい「Please Let Me Wonder」、26日の方はイントロから入りこれはいいぞと思っていたらブライアンが歌詞を忘れてコーラスだけに...27日はイントロなしで静かに始まるが、こちらはちゃんと歌ったので二重丸。名曲だ。
Live in Chicago 1965, ザ・ビーチ・ボーイズ

☆Beach Boys:『Fillmore East, New York, June 27th, 1971』(Download Only)

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日本のamazonDoxy Collectionよりmp3販売された4枚のビーチ・ボーイズのライブ・アルバムがある。値段は1000円と安いが、音質は既にリリースされたブートレグそのもののレベルであり、若干怪しげだが、順に紹介しよう。1967年のモンタレー・ポップ・フェティバルの不参加により、前年には最先端を行っていたビーチ・ボーイズはジミ・ヘンドリックスに「サーフ・ミュージックが終わった」と揶揄され、『Smile』の失敗と重なって一気に時代遅れのバンドというレッテルを貼られてしまった。その後内容のいいアルバムを作ってもヒットせずブライアンは隠遁する。その中この1971年にリリースされた『Surf's Up』は久々に全米29位と好成績だった。ライブではホーン・セクションを導入し、厚みを増したパワフルなライブはまた人気となっていた。その中、グレイトフル・デッドなど数多くの大物ロック・バンドのライブが行われた事で知られたフィルモア・イーストでのライブは、お客もマンハッタンで最もヒップな人達が集まっていただろう。その観客の期待を裏切らない出来なのが冒頭の「Heroes And Villains」で、ホーンを大きくフィーチャ―した主旋律部分、ブレイクの時のア・カペラと切り替えが見事。「Do It Again」も良さそうなのだがリード・ヴォーカルがよく聴こえない。その点「Cottonfields」はアルのヴォーカルが力強く、コーラスのバランスと合わせてベストの1曲。
Fillmore East, New York, June 27th, 1971 (Doxy Collection, Remastered, Live on Fm Broadcasting)

☆Beach Boys:『The Mall, Washington, July 4th, 1981』(Download Only)

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日本のamazonDoxy Collectionよりmp3販売されたビーチ・ボーイズのライブ・アルバム第2弾。これは25曲ともっとも曲数が多く値段も1000円のままだが、音質はブートレグそのもののレベル。ただしミキシングがちゃんとしているので、前に紹介した1971年のFillmore Eastよりずっと聴きやすい。この時期はロック志向の強いカールがソロ・アルバムを出して自らもソロ・ライブを行っていたため、なんとカールがツアー参加していない。メンバーはブライアン、デニス、マイク、アルの4人だ。鬼のマイクはなんとヘロヘロのブライアンに、カールが歌う曲をフルで歌わせたりしているので、歴史的?には非常に興味深かった。今のブライアン・バンドのように高音のサポートがないので気の毒だが...。あのヒップなビーチ・ボーイズを目指していた昨日紹介の1971年のライブから10年経ち、その間1974年の昔のベスト盤『Endless Summer』のメガヒット、このブレイクを受けて隠遁状態のブライアンをユージン・ランディの力で引っ張り出し、「Brian's Back」の強烈なキャンペーンとタイアップした『15 Big Ones』のヒット、そして久々にアルバム全体をブライアンが作曲・プロデュースした『Love You』は、内容はいいのにヒットせず、ブライアンはまた隠遁生活に逆戻り。その後のにっちもさっちもいかない時期のライブが本盤だ。
The Mall, Washington, July 4th, 1981 (Doxy Collection, Remastered, Live on Fm Broadcasting)

☆Pen Friend Club: 『Season Of The Pen Friend Club』(Penpal/PPRD0001)

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ペン・フレンド・クラブ待望の3枚目のアルバム『Season Of The Pen Friend Club』が2016120日に発売される。2014年から年1枚という順調なリリースだ。多くのポップス・ファン、ソフト・ロック・ファンを唸らしたペン・フレンド・クラブ。オリジナルはもちろんいいのだが、今回も多くのコアなファンを満足させるカバーを入れてくれた。1枚目で言えばブルース・ジョンストンの隠れた名曲、ブルース&テリーの「Don't Run Away」で、2枚目ではボブ・クルーのプロデュースで、クルー&サンディ・リンツアー&ダニー・ランデル作というフォー・シーズンズ・ファン感涙のラグ・ドールスの「Dusty」だった訳だが、今回は、私が一押ししているテディ・ランダッツォ作・プロデュースのロイヤレッツの「Poor Boy」になる。もちろんそれ以外のカバーセンスも素晴らしいのだが、今回はこれできたか!と私のようなマニアを喜ばせてくれた。さて、それではアルバムの内容を紹介しよう。


☆Beach Boys:『Washington Monument, Washington, July 4th, 1984』(Download Only)

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amazonDoxyからmp3販売の第3弾。建国記念日のライブとしては前述の1981年の次になるわけだが、この1984年と翌年のゲストが超豪華。丸ごとYou Tubeで映像も見られるので是非そちらも合わせて見ていただきたい。イベントなのでビーチ・ボーイズはメイン・アクトであるがその他バッキングの参加ミュージシャンも多く、演奏もコーラスも十分に厚みがあり、今までのものよりランク上。1曲目の「California Girls」から歌と演奏は十分だ。ステージには、ランディの治療で見間違えるほど細くなったブライアンがキーボードを弾いていて、他はカール、アル、ブルース、マイクの5人。デニスは残念ながら前年に事故で他界している。「Surfer Girl」のサビの超甘いヴォーカルはフリオ・イグレスアスだ。そして「Back In The USSR」では遂に本家本元のリンゴ・スターが歌とドラムを担当し、観客の興奮は頂点に達していた。収録された曲は10曲で、カールが気合の入ったジョン・フォガティのロック・ナンバー「Rockin' All Over The World」を歌い、アルがHollywood Flames50年代のヒット「Buzz Buzz Buzz」をカバーしているが、レコード化はされていない。「Back In The USSR」以降の「Good Vibrations」「Help Me Rhonda」「Fun Fun Fun」までの3曲も引き続きリンゴがドラムを叩いていることにも注目だ。ライブとしては完璧な出来なので音質が惜しい。この中から「Back In The USSR」と「Surfer Girl」は前述の1986年のライブ・アルバム『Fourth Of July』(Love Foundation)に収録されており、レコードの音質は比較にならないほどいいので、ちゃんとしたマスターから出してもらいたいものだ。(佐野邦彦)

Washington Monument, Washington, July 4th, 1984 (Doxy Collection, Remastered, Live on Fm Broadcasting)

☆Beach Boys:『Ben Franklin Parkway Art Museum, Philadelphia, July 4th, 1985』(Download Only)

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Doxyからのamazonのみmp3販売のラストがこのアルバム。この1985年の建国記念日ライブのゲストの目玉はなんといってもジミー・ペイジだ。こちらは収録曲が19曲と多く、その一部であるが肝心なジミーのギター・プレイはYou Tubeで見られる。全面的にギター・ソロを弾いているのは「Lucille」。この曲はもうジミー・ペイジの迫力満点のギター・プレイを楽しむためのものでビーチ・ボーイズはほぼ関係ないが。そして「Barbara Ann」でも促されて間奏のギターの一部を弾いている。そのままジミー・ペイジに弾かせればいいのに、すぐにクソつまらない2音サックスに変わってしまうのはマイクの仕業か?他のゲストは「Come Go With Me」のバック・コーラスをオーク・リッジ・ボーイズ、「Good Vibrations」のリード・ヴォーカルはクリストファー・クロス、「Barbara Ann」にはジョーン・ジェットもギターで参加している。このライブのいい所はギターをラウドに、ザックリとプレイしているので、最も迫力ある仕上がりになっている。あの「Surfin' Safari」からしてヘヴィなギターでスタート、そのままメドレーでなんとブライアン作のジャン&ディーンのNo.1ヒット「Surf City」へ移りこれも迫力のあるカバーで、そのまま「Surfin' USA」へなだれ込む。ラストの「Fun Fun Fun」は演奏の迫力と的確なハーモニーでこの曲のベストのライブではないか。選曲ではこの時の最新ヒットの「Getcha Back」を披露、ほぼ完璧な仕上がりだったこと、カールはお気に入りの「Rockin' All Over The World」をまた歌っていたことが他の注目点か。この中から「Barbara Ann」と「Come Go With Me」は前述の1986年のライブ・アルバム『Fourth Of July』(Love Foundation)に収録されており、音質は比較にならないほどいいので、この盤もちゃんとしたマスターから出せるはずだ。惜しい。(佐野邦彦)

Ben Franklin Parkway Art Museum, Philadelphia, July 4th, 1985 (Doxy Collection, Remastered, Live on Fm Broadcasting) [feat. Jimmy Page]


病院から自宅へ戻っても下半身麻痺なのでベッド上のまま。手の届く範囲に、Blu-rayレコーダー、テレビ、CD録音機能付レコードプレイヤー、ラックなど必要なものを揃え準備をした

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病院から自宅へ戻るにあたって、ベッド上から動けない現実は変わらない。ベッドから手が届く範囲にあるものだけが「使えるもの」。帰っても八方ふさがりの状況、でも諦めたら終わりと、手の届く範囲で出来るよう準備を始めた。音楽は元々パソコンのHDでみな管理している。大好きなテレビは、新たにブルーレイレコーダー(CSも移した)と20インチTVを買ってオーバーテーブルの横にセット、机の真ん中はもちろんパソコンだ。食事はパソコンの上にトレイを置いて食べる。問題はレコードだ。車椅子に乗れるようになったにしてもレコードのある部屋に入れないし、そしてその際にプレイヤーからパソコンに落としていたがその機械も使えない。そこで最近宣伝していたティアックのCD録音機能付きのレコードプレイヤーも注文し、それ用のキャスターも買った。さっそく一昨日、まだ何故かレコードからパソコンに落としていなかったビーチ・ボーイズの『Fourth Of July』をこの機械で再生録音し、HPの紹介に使ったばかり。あとは旧自分の部屋(前述のレコードのある部屋の事。約3年前の発病時にゲーム用部屋として明け渡し済み)にある膨大なCDは、2年前の一時退院時に妻に手伝ってもらって、Blu-rayDVDも一緒に、ハードケースからほぼすべて外して市販のソフトケースに入れ替え体積を1/3にしていた。そのかわり「背表紙」がなくなったので、手帳に図面を作り、妻に「壁側上3左4ブロック」にあるなどと言って探してもらうようにしていた。
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☆最近のBeach Boysメンバーのソロ活動の追跡調査(Brian、Al、Mike)

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明日退院だが、正月の短期入院時に表記の調査をしてみた。ブライアンがリード・ヴォーカルを取っているオムニバスへの参加作品は価値があるが、「フィーチャリング参加」のものはまずつまらないので、注意しよう。ブライアン・ウィルソンは、2015Mini Mansionsの『The Great Pretenders』というアルバムの中の「Any Emotions」という曲で、feat.Brian Wilsonでゲスト参加している。ミディアムのレイドバックした曲で最後のコーラス部にブライアンがいるなと分かる程度。またEmile Haynieの『Falling Apart』の冒頭のタイトル曲で、feat. Andrew Wyatt, Brian Wilsonとして少々ドラマティックな作り「Falling Apart」を披露しているが、最後のコーラス部でブライアンがいるかなと分かる程度。他、HP上で紹介していない古いものでは2009年ハイチ大地震のチャリティの為に作られた「We Are The World」の替え歌「We Are the World 25 for Haiti-Artists for Haiti」がある。ブライアンにソロ・パートはなく、コーラスの参加のみでどこにいるのかよく分からない。2011年にはOld Sand Millのアルバム『The World Is Getting Colder(SHP Recoeds)の中でfeat. Brian Wilson and Rick Boston名義で「Be True To Your School」と「Too Much Sun」を披露してる。前者はライブ仕立てでヴォーカルはマイク・ラブ風でアレンジも同じ。しかしブライアンの存在は分からない。B面は重いアカペラから始まるカントリー・ナンバーだが、ここでもブライアンの存在は分からない。まあ全てよほどのマニアでなければ全て不用のシロモノ。ついでにAdrian Baker2010年にリリース、マイク・ラブにリード・ヴォーカルを録ってもらったアップの「Summertime Blues」の7インチ、12インチヴァージョンは、前述の「We Are the World 25 for Haiti-Artists for Haiti」とOil Sand Mill3曲などと合わせて、先月紹介したDoxyからamazonのみでダウンロード販売されているビーチ・ボーイズのライブ盤4枚の曲中に勝手に一緒に入っていた。まあタダだからいいけど...。

逆に内容がいいのは、メンバーのソロ配信の方。アル・ジャーディンは201512月「Hurry Up, Hurry Up, Santa Claus」というホワイト・ドゥ・ワップ風のコーラスを付けたロックンロール・クリスマス・ナンバーを出した。

「Hurry Up, Hurry Up, Santa Claus」の画像検索結果「(You'll Never Be) Alone on Christmas Day」の画像検索結果

☆Beach Boys:「We Got Love(Studio Long Version)」入りの『Holland』が、2月16日にSACDと200gLPの両仕様で、Analogue Productionから発売予定

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 先日、iTunesでの『Holland』のリイシューで、初復刻された幻のスタジオ・ヴァージョンの「We Got Love」が配信された。さらに驚かされたのは、当時のミスプレスのみで聴けた同曲よりエンディングが50秒以上長いロング・ヴァージョンでもあったのだ。そして嬉しいことにアメリカのAnalogue ProductionよりハイブリッドSACDと、200gアナログLPにもこの「We Got LoveStudio Long Version)」が入る。LPの方はあのEPLPサイズとなり、同曲が入る。2枚組のような感じか。値段は$30$40で日本への送料はかからない。この手のアイテムはamazonはまったく信用できず、タワーやHMVも発売日などおおいに怪しい。この際、直接注文した方が確実と、ネット注文したが、さてどうなるか。他のタイトルもみなSACD及びステレオLP、モノLPとリリースされるので、下記の「ビーチ・ボーイズ・ガイド」の表を参考にどうぞ。

http://agttbb.web.fc2.com/newitem.html

(佐野邦彦)

The Beach Boys - Holland

☆The Beach Boys:『The Beach Boys' Christmas Album(Mono & Stereo)』(Download Only)

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ふと気づいたら、一度もCD化されていない『The Beach Boys' Christmas Album』のモノラル盤がダウンロード販売していたので、退院までの間に購入し、帰宅後チェックをしたところ。確かにこれは「真正モノラル」であり、後のCD化で編集された「偽モノ」は混じっていない。音像の好みなどは除外する。もともと私はモノ派ではなくステレオ派、モノの方がいいかなと思う曲があるのは一般的には1963年と1964年くらいまでの音源だ。購入はiTunesMono&Stereo1900円版。現在では疑似ステレオしかない『Surfin' Safari』『Wild Honey』のステレオ、まったく違いが無い『Beach Boys Concert』のモノラル(予想通りこれだけモノラルリリースなし)を除くとモノラルが無くなった『Friends』までは、全てステレオ、モノラルの両仕様が出て、以降のアルバムは『The Beach Boys(1985)』までステレオの「ハイレゾ版」が出ているのだ!さらにAnalogue Productionsからのステレオ、モノラル別々にハイブリッドSACD200gアナログLPの発売、ここも前述したように『Holland』を皮切りにブラザー時代以降も網羅するだろうから、いったい全部揃えたら幾らかかるのか!私のように3年半に渡る病人、もう定年まで2年なのにこれからゼロからリハビリして1年後に奇跡が起きて再復職という非現実的は諦め、もう勧奨退職して社会保険は妻の扶養に入り、退職金で住宅ローンを完済して残りの治療費に...という人間に、そんな高額商品を揃える余裕はなくなった。一騎当千のビーチ・ボーイズ・ファンの方、これらの全音源の違いがあれば是非教えて欲しい。楽しみにお待ちしています。

それではようやく、『The Beach Boys' Christmas Album(Mono & Stereo)』の違いについて紹介しよう。

    Little Saint Nick(Album Version)」...鈴と鉄琴が入っていないステレオのアルバム・ヴァージョンは『Ultimate Christmas』や、90年代にリリースされたボーナス・トラック付『The Beach Boys' Christmas Album』で聴けたが 初CD化のモノ・ヴァージョンは最後のリフレインがステレオの3(159)に比べて2(152)でフェイドアウトしてしまう。

    The Man With All The Toys」...ステレオのエンディングは2回目のリフレインの最後の高い「オ!」のあとのギターで終わってしまうが、初CD化のモノラルはさらに2秒長く、3回目のリフレインの「オ!」を2回聴くことができる。90年代の『The Beach Boys' Christmas Album』や、『U.S. Singles Collection Capitol Years 1962-1965』はモノで入っているが、ステレオと同じく短く「悪い偽モノ」編集されていた。

☆Crosby Stills Nash & Young:『Roosevelt Raceway-Live 1974』(Air Cuts/ACCD8027)

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2014年に、ライブツアーだけでスタジオ・レコーディングは行われなかった1974年のCSN&Y再結成のライブ音源集『CSNY 1974』がリリースされ、多くのファンを狂喜させてくれたのは記憶に新しい。そのライブはCD3枚組40曲というボリュームだったが、本盤は16曲というコンパクトなもの。それは197498日のニューヨークのロング・アイランドでのライブで、FMで高品質なライブを流すことで有名なKing Biscuit Flower Hourの音源をそのままCDにしたものだ。曲は16曲中、グラハム・ナッシュ6曲、ニール・ヤング4曲、デビッド・クロスビー3曲、ステファン・スティルス2曲、スティルス&クロスビーの1曲だ。例によってサウンドがヘヴィなスティルス&クロスビーは、例えば『Love The One You're With』などパーカッションがさらに強化され、もう原曲のイメージは無い。その点、私はアコースティック・セットでハーモニーを重視するCSN&Yが好みなので、ニール・ヤングとグラハム・ナッシュの曲が多いのは嬉しい。『CSNY 1974』では収録されていない初登場曲はニール・ヤングの「Walk On」とグラハム・ナッシュの「Southbound Train」「Another Sleep Song」だ。この中でもNash &Crosbyのアルバムを買って、最も好きだった「Southbound Train」が最高の贈り物だ。後半のコーラス・ワークがいい。ただこのCD、作曲のクレジットを入れないのはどうなのか?ハーフ・オフィシャルなのかな。(佐野邦彦)

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